ある夜、東京の蒲田操車場で、一人の男の他殺体が発見された。
ところが被害者の身元が不明で、唯一の手がかりは被害者が東北訛りで
しゃべっていたということ、そして、「カメダ」という言葉のみ。
 
ところが、ようやく分かった身元は、東北とは全く縁のない岡山県作東町
(現在の美作市(みまさか))の人間。 捜査は難航する。
 
しかし、警視庁のベテラン刑事と蒲田署の若い刑事の努力の甲斐あって、
東北訛りと思われていた言葉が、奥出雲の訛りであること、さらにこの地方に
「カメダケ」という地名が存在することを突き止めた。
 
なぜ、「カメダケ」という地名が、被害者の言葉から出てきたのか、じつは
この被害者は、以前に「カメダケ」の駐在所に勤務していた巡査だったのである。
 
昔、ハンセン氏病に罹患した父とその子が、この地に流れて来たときに、
善良なこの巡査に保護されたことがあった。
 
巡査は、父を療養所にいれ、子は将来他家に養子縁組をさせるつもりでいた
が、子は巡査の元から姿を消す。
 
ところが、その子は大人になって、戸籍や名前を変え新進気鋭の作曲家と
なっていた。
 
・・・・と、「砂の器」のあらすじの一部を、ウイキペディアから抜粋させていただき
ました。
 
 
 
この巡査が殺害されるに至る過程には、松本清張が得意とする社会的背景が
盛り込まれた、ストーリーが展開するのです。
 
実際にこの本を読んだとき、奥出雲の言葉が東北弁と似ているのだとはじめて
分かるぐらいですから、他県のひとにはなおさら分かりにくいと思います。 
 
しかし、言語学的には確かに東北弁とおなじ言語が、この奥出雲のみに存在して
いるのですね。
 
その昔、北前船の交易が盛んであったこの出雲地方ゆえに、東北地方の人々との交流があっても不思議ではないですね。
 
 
さて、そんな「砂の器」のあらすじを思い浮かべて、「亀嵩」の紹介です。
 
 
    木次線 亀嵩駅の風景です。 カメラ方向(南)が出雲三成方面。
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    亀嵩駅の看板 そして反対側が・・・
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    こちらが、出雲横田方面(北)です。 
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1974年の映画ではこの駅で親子の別れのシーンがありましたが、原作に
そのシーンがあったがどうか忘れてしまいました。(笑)
 
ただ、夢を壊すようで申し訳ないですが、映画で使った亀嵩駅はこの駅では
なく、横田の先にある八川駅を亀嵩駅に見立てたとか・・・
 
 
 
    これが本物の「亀嵩駅」。 原作にでる駅ですね。 
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    こちらが亀嵩の町へと続く道。
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    こちらは三成の町へと続く道。
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    現在の亀嵩駐在所を示す看板。 左方向にあります。
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    現在の駐在所。 モダンな駐在所ですね。
    もちろんフィンクションの中の駐在所とは全く関係ないですね。
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    亀嵩の街中。落ち着いた雰囲気の街です。
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    街の近くにある玉峰山荘(保養地)と玉峰山。
    何度も登っている山です。豪雪地帯ですので雪は深いですね。
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          砂の器の舞台となったことの記念碑
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    おなじく石碑。
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    記念碑。
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          どうですか、おもしろい標語でしょう。
          ここはゆっくり走る「かめ」しか居ません・・
          スピードを出す「うさぎ」はいませんということでしょうね。
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    最後にわたしの好きなもので締めくくります。
    この街で、お歳を召したご夫婦が作っている「とうふ」と聞いています。
    とにかくおいしいのです。豆腐の味がする豆腐なのです。ここは水が
    いいところです。仁多米の産地でもあります。だからでしょうか・・・
    手作りで数も少なくこの近辺でしか売ってないそうです。残念です。
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てなわけで、本日は亀嵩のご紹介でした。
 
近日中に、また山のご紹介もいたしますのでよろしくお願いしますね♪